健康福祉委員会で1976年の「津久井やまゆり園事件」について市長に問うた後、犯罪を起こした人物が事件の5か月前、衆院議長公邸を訪れて渡した手紙について質問しました。しかし、その内容を答える職員がいなかったことも意外で、残念でした。この手紙が事件後に報じられた際、「障害者総勢470名を抹殺する」、「日本国と世界のために」、「障害者は不幸を作ることしかできない」などとの犯人の主張に誰もが衝撃を受けたはずです。
ナチスドイツの「T4作戦」では、何十万人もの障害のある成人や子どもの安楽死計画が企てられました。「国家・公益のため」をうたって障害者の人権を奪う施策が、戦後の日本でも「優生保護法」として1996年まで存在。第1条に「この法律は、優生上の見地から不良な子孫の出生を防止するとともに、母性の生命健康を保護する」と目的を定めていました。
大阪府衛生年報で調べると、同法に基づいて48年間に行われた不妊手術は1237件。そのうち619件は当事者の同意を得ないものでした。また、2年分は資料が欠けており、実際にはもっと多くの被害者がいるはずです。
精神疾患や身体障害を理由に不妊を強制された人々への一時金(僅か320万円)補償の制度ができたのは2019年。しかし、今年2月現在の補償認定は全国で1094件で、約2万5千人の被害者の4%にすぎません。
大阪府の認定数は29件。障害に加えて高齢化した方々に、有効な制度周知が行われいるのでしょうか。しかも、請求期限は今年4月23日です。期限延長の動きもあるようなので、周知方法を見直すことを求めました。
実は、堺市衛生年報にも手術件数が掲載されています。そのことめぐる議論や出生前検査については、明日の日記で報告します。