まことに恥ずかしい限りですが、昨日の健康福祉委員会では、市当局の答弁にだまされました。
HPVワクチンについて市民に情報を伝える堺市の公式ホームページに、堺市立病院機構理事長・木村正さんの動画が掲載されています。拝見して、2つの疑問を感じました。
①ワクチンが男子の肛門がん、陰茎がん、中咽頭がんにも効くかのごとき説明があるのですが、主要ワクチン「シルガード9」の添付文書(製薬会社作成)に「効能・効果」として書かれているのは「肛門がん(扁平上皮がん)」だけです。
②ワクチンによる副反応の説明にあたって、名古屋市が実施した調査を担当した名古屋市大・鈴木貞夫教授の論文掲載のものと思われる分析表を使っています。違和感を覚えて調べてみたら、薬害オンブズパーソン会議から批判されて名古屋市はホームページから削除し、後に鈴木教授が論文発表したことなどが判明しました。
同会議メンバーで元NHK記者の隈本邦彦・江戸川大学教授の話では、HPVワクチン薬害訴訟の法廷で、統計数理学研究所名誉教授の椿広計さんが「統計の誤用」と証言しており、「鈴木論文」を安全性の根拠にするのは正しくないとのこと。
そこで、「ワクチン情報を正確に伝えるべき市ホームページへの掲載は如何なものか」と委員会で指摘したところ、①については「すでに訂正している」と市当局が答えたので信じました。
ところが、市ホームページを確認すると、訂正は別掲載の資料のほんの一部だけ。根拠が不明確な情報や、学術論争もあって他市が公表を取り止めた分析表を用いて(副反応は)「誰でもあることが起こるだけ」との解説はそのままです。
今日、市当局に抗議すると、「動画の改編を検討中」とのこと。検討期間は視聴できない措置をするように求めました。誤情報を信じてワクチン接種を希望するなど、あってはならないことです。