先週18日の健康福祉委員会で最初に議論したのは、最高裁が6月27日に「国が生活保護費を大幅に引き下げたのは違法」として、減額決定を取り消す判決を出したことです。
2012年に当時野党だった自民党総裁選で安倍晋三氏が勝利。同年12月の総選挙に、「生活保護給付水準10%カット」の公約を掲げて挑み、政権復帰を果たします。早速、翌2012年1月に厚労省が最大10%の保護費引き下げを決定。最高裁は、この決定に「裁量権の範囲の逸脱や乱用がある」として、違法判決に至りました。
取消訴訟は全国各地で提訴されおり、2021年には大阪地裁が堺市など自治体敗訴の判決を下しました。
実はその際、私は小堀清次議員、渕上猛志議員や共産党議員と共に、「判決の意義を重く受け止め、処分庁として控訴せずに判決を確定することを強く求める」との申出書を堺市長に提出しました。提出翌日のアクション日記には、当時の健康福祉局長に手渡す写真を掲載しています。このとき、もし堺市が控訴していなければ、堺市在住の原告2人については最高裁の判断を待つことなく大阪地裁判決が確定していたはずです。
健康福祉委員会で確認すると、市当局は「訴訟が国の利害に関係する場合は法務大臣の指揮下に入るので、国の方針に基づいて控訴せざるを得なかった」答弁。しかし、裁判が長期化した結果、全国で1000人を超える原告団の中で232人が亡くなられています。
掲載した2021年2月のアクション日記には、その前月に届いた手紙のことを書いています。
「私は80才代の老人です。毎月の生活は生活保護金を有難く頂いて居ます。その額は4万円少々です。ガス代、電気代、水道代他引かれますと、生活費は殆ど3万円で細々と暮らす毎日です。食事代は殆ど食パン生活です。若い時代は一生懸命に働いて、年金は家賃に持って行かれますから、保護金が私の命をつないでいます。老いても、たまにはパン以外の物が食べたいと思いますが、それはぜいたくな願いだとあきらめています。長谷川先生のお力で、2~3万円で月々の生活をしている老人でも、もう少しだけ良い生活ができるようにはなれないものでしょうか? ぜいたくは決して申しません。少しでも保護金が上がるようになりませんか。心より願いつつ、お手紙を書きました。後、少しの生命ですが、それでもストーブもコタツも控えて生活している者も多く居ますことをお知り下されば幸いです。」
改めてこれを紹介し、「このような当事者の声を心にとめて今後の行政に当たってもらいたい」と述べ、生活保護訴訟に関連する議論を終えました。